建て入れ直し(たていれなおし)は鉄骨造の建方工事における重要な品質管理作業です。
施工管理技士試験でも頻出ですので、手順・精度基準をしっかり理解しておきましょう。
建て入れ直しとは
建て入れ直しとは、鉄骨建方(現場での鉄骨組立て)において、組み上がった鉄骨フレームの倒れ(垂直方向のずれ)・ねじれ・変形を修正して、設計どおりの精度に整える作業のことです。
鉄骨を組み立てていく過程で、クレーンによる揚重・接合部の応力・温度変化・自重などの影響によって、柱・梁が微妙に傾いたりねじれたりすることがあります。
建て入れ直しはこれらのずれを修正し、構造全体の精度を確保する作業です。
建て入れ直しの実施タイミング
建て入れ直しは建方の各段階で行います。一般的には数節(数フロア分)の鉄骨を組み上げるごとに建て入れ直しを実施します。
全棟の建方完了後に一度だけ行うのではなく、施工が進む中で段階的に実施することが重要です。
建て入れ直し完了後に高力ボルトの本締めを行います(本締め前に建て入れ直しを完了させる)。
建て入れ直しの方法
測定方法
柱の垂直精度は下げ振り(下げふり)またはトランシット(測量機器)で測定します。
下げ振りは柱上部から重りをぶら下げ、柱の傾きを目視・計測する方法です。
トランシットは2方向(直交する2方向)から測定することで、柱の傾きを正確に把握できます。
修正方法
傾きの修正はターンバックル付きの調整ワイヤー(ワイヤーロープ)を用いて行います。
ターンバックルを回転させることでワイヤーの張力を調整し、柱を所定の位置に引っ張って修正します。
修正後は再度測定で精度を確認します。
建て入れ精度の基準
建築工事標準仕様書(JASS 6 鉄骨工事)では、建て入れの精度基準として柱の垂直精度はH/1,000以下(Hは測定する高さ)かつ10mm以下と定められています。
例えば高さ3mの柱なら3,000mm ÷ 1,000 = 3mm以下、10mなら10,000 ÷ 1,000 = 10mmが上限です(最大10mm)。
この基準を超える場合は再度建て入れ直しが必要です。
建て入れ直しと本締めの関係
高力ボルトの本締めは建て入れ直し完了後に行うことが原則です。
本締め前に建て入れ直しを行う理由は、本締め後は摩擦力が強くなって修正が困難になるためです。
仮ボルトの状態(軸力なし)であれば、接合部の位置調整が容易に行えます。
試験対策のポイント
施工管理技士試験では建て入れ直しに関して以下が頻出です。
建て入れ直しの定義(倒れ・ねじれの修正)、実施タイミング(本締め前に実施)、精度基準(H/1,000以下かつ10mm以下)、測定方法(下げ振り・トランシット)、修正方法(ターンバックル付きワイヤー)などです。
特に「建て入れ直しは本締め前に行う」という原則は頻出事項です。
まとめ
建て入れ直しとは鉄骨建方時に柱・梁の倒れ・ねじれを修正する作業です。
精度基準はH/1,000以下かつ10mm以下で、下げ振りまたはトランシットで測定し、ターンバックル付きワイヤーで修正します。高力ボルトの本締め前に完了させることが原則です。


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