溶接ビード(Weld Bead)は溶接施工の品質を表す基本的な概念です。
施工管理技士試験でも頻出のテーマです。
溶接ビードとは
溶接ビード(ビード)とは、溶接時に電極(溶接棒・ワイヤー)が溶融して母材と融合・凝固した盛り上がった溶着金属のことです。
溶接を進めた方向に連続してできる縞状の形状がビーズのように見えることから「ビード」と呼ばれます。
ビードの形状・サイズ・連続性が溶接品質を大きく左右します。
短ビードの問題点
短ビード(Short Bead)とは、規定の長さに満たない短い溶接ビードのことです。
隅肉溶接では有効長さ(ビード長さからクレーター処理長さを除いた長さ)が確保されていない短ビードは、十分な溶接強度を発揮できません。
建築工事標準仕様書(JASS 6)では隅肉溶接のビードの最小有効長さは「40mm以上かつサイズの10倍以上」と定められています。
短ビードは割れ・剥離が生じやすく、溶接欠陥の原因になります。
スパッタとは
スパッタ(Spatter)とは、溶接中に飛散する溶融金属・スラグの小粒子のことです。
母材・溶接部・周辺部品に付着し、外観不良・防食塗装の密着不良・寸法精度の低下などの問題を引き起こします。
スパッタの発生原因は電流・電圧の不適切な設定、アーク長の不安定、母材表面の汚れ(油・さび・水分)などです。
スパッタの防止策としては適切な溶接条件の設定、スパッタ付着防止剤(離型剤)の塗布、母材表面の清掃などがあります。
スラグとは
スラグ(Slag)とは、溶接中に生成される非金属性の鉱さい(ガラス質の物質)で、溶融した溶接材料から分離してビード表面を覆うものです。
スラグ自体は溶接ビードを大気から保護する役割がありますが、多層溶接(パス)では前のパスのスラグを除去(スラグ除去:チッピングまたはワイヤーブラシ)しないと「スラグ巻き込み(スラグインクルージョン)」という溶接欠陥が生じます。
溶接欠陥の種類
主な溶接欠陥(不完全溶接)の種類をまとめます。ブローホール(気孔):ビード内部に閉じ込められたガスによる空洞で、放射線透過試験(RT)で検出されます。
アンダーカット:母材がえぐれてビード端部にへこみが生じる欠陥で、応力集中の原因になります。
オーバーラップ:溶着金属が母材と融合せずに乗り上がった状態です。クレーター:溶接終了時にビード端部にできるくぼみで、割れが生じやすい部位です。
試験対策のポイント
施工管理技士試験では溶接ビードに関して以下が頻出です。
短ビードの最小有効長さ(40mm以上かつサイズの10倍以上)、スパッタの定義と発生原因、スラグ除去の必要性(多層溶接前のスラグ除去)、各種溶接欠陥(ブローホール・アンダーカット・クレーター)の定義と原因などです。
まとめ
溶接ビードは溶接時に形成される溶着金属の盛り上がりです。
短ビードの最小有効長さは40mm以上かつサイズの10倍以上です。
スパッタは飛散する溶融金属粒子、スラグは非金属性の鉱さいで、多層溶接前のスラグ除去が欠かせません。
各種溶接欠陥(ブローホール・アンダーカット・クレーター)の定義と原因をセットで覚えておきましょう。


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