突合せ溶接は鉄骨造の柱・梁接合部で広く使われる溶接方法です。
施工管理技士試験でも頻出のテーマです。
突合せ溶接とは
突合せ溶接(突き合わせ溶接・Butt Welding)とは、2枚の板材(または管材)を同一平面上に突き合わせて端面同士を溶接する方法です。
隅肉溶接が部材の角部(すみ)を溶接するのに対し、突合せ溶接は部材の端面を正面から溶接します。
高い強度が得られるため、応力の大きな重要部位(柱梁接合部のフランジなど)に用いられます。
完全溶込み溶接と部分溶込み溶接の違い
完全溶込み溶接(CJP:Complete Joint Penetration)
完全溶込み溶接とは、溶接金属が接合部の板厚全体に溶け込んでいる突合せ溶接です。
開先加工(母材の端部を斜めに削る加工)を施して溶接し、裏側からも溶接(裏はつり後の裏溶接)または裏当て金を使用して完全に溶込みを確保します。
板厚全体が一体化するため、強度・靭性が最も高い溶接方法です。
鉄骨造の柱梁接合部フランジなど高応力部位に使用されます。
部分溶込み溶接(PJP:Partial Joint Penetration)
部分溶込み溶接とは、溶接金属が板厚の一部にのみ溶け込んでいる突合せ溶接です。
完全溶込みほどの強度は得られませんが、溶接量が少なく経済的です。
応力の小さい部位・圧縮力のみが作用する部位に用いられます。
開先(かいさき)の種類
突合せ溶接では母材端部に「開先(グルーブ)」と呼ばれる溝加工を施します。
開先形状の主な種類は以下のとおりです。
I形開先:板厚が薄い場合に用いる。開先加工不要で開先角度0°。
V形開先:板厚6〜19mm程度に用いる。片面から溶接。
X形開先:板厚が厚い場合に用いる。両面から溶接。
K形開先:板厚が厚い場合の片面溶接に用いる。
U形・J形開先:溶接量を減らしたい場合に用いる特殊形状。
裏当て金とは
裏当て金(Backing Strip)とは、完全溶込み溶接の裏側に当てる鋼板で、溶接金属の流れ落ちを防ぎ、溶接品質を確保するための部材です。
裏当て金を使用すると裏はつり(裏面のガウジング処理)が不要になるため、狭小空間や片面しかアクセスできない箇所での溶接が可能になります。
裏当て金は溶接後も基本的に取り除かず残置します。
試験対策のポイント
施工管理技士試験では突合せ溶接に関して以下が頻出です。
完全溶込みと部分溶込みの違い(適用部位・強度)、開先形状の種類(V形・X形など)と板厚との関係、裏当て金の役割・残置の原則などです。
「完全溶込み溶接は板厚全体が溶け込む・部分溶込みは一部のみ」という違いを明確に覚えましょう。
まとめ
突合せ溶接は部材端面を正面から溶接する方法です。
完全溶込み溶接は板厚全体に溶け込み高強度、部分溶込みは一部のみで経済的です。開先形状はI形・V形・X形などがあり板厚によって選定します。
裏当て金は溶接金属の流落ちを防ぐ部材で溶接後も残置します。


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