せん断力(Shear Force)は、構造力学の基本概念のひとつです。曲げモーメントと並んで施工管理技士試験でも頻出のテーマですので、定義・単位・求め方をしっかり理解しておきましょう。
せん断力とは
せん断力(剪断力とも書く)とは、部材の断面をずらそうとする力のことです。梁に荷重が作用すると、梁の内部には「切断面に平行な方向に部材をずらそうとする力」が生じます。この力をせん断力(Q)と呼びます。
「せん断」とはハサミで切るような動きのことで、部材断面がずれる(切れる)方向に働く力です。せん断力が大きいと部材は剪断破壊(断面がずれて破断)する危険があります。
せん断力の単位
せん断力の単位は「力」の単位と同じで、N(ニュートン)またはkN(キロニュートン)を使います。
せん断力の求め方
せん断力は「着目断面の左側(または右側)に作用するすべての外力(鉛直方向)の合計」で求めます。符号のルールは教科書によって異なりますが、一般的に「断面の左側で上向き(または右側で下向き)の力を正(+)」とすることが多いです。
単純梁(中央集中荷重)のせん断力
スパンLの単純梁の中央に集中荷重Pが作用する場合、左右の支点反力はそれぞれP/2です。この梁のせん断力は、左半分ではQ = +P/2、右半分ではQ = −P/2となり、荷重点でせん断力が急変(段差)します。
単純梁(等分布荷重)のせん断力
スパンLの単純梁に等分布荷重w(kN/m)が作用する場合、支点反力はwL/2です。せん断力は左端でQ = +wL/2、中央でQ = 0、右端でQ = −wL/2と直線的に変化します。
片持ち梁のせん断力
スパンLの片持ち梁の先端に集中荷重Pが作用する場合、全区間にわたって Q = P(一定)のせん断力が生じます。
せん断力図(Q図)とは
せん断力図(Q図・SFD: Shear Force Diagram)は、部材の各断面におけるせん断力の大きさを図示したものです。集中荷重が作用する点でせん断力は急変(階段状)します。等分布荷重では直線的に変化します。試験では「Q図を描け」という問題も出題されます。
曲げモーメントとせん断力の関係
せん断力Qと曲げモーメントMの間には「Q = dM/dx(曲げモーメントの微分がせん断力)」という関係があります。実務的には「曲げモーメントが最大となる点でせん断力がゼロになる」と覚えておくのが重要です。
試験対策のポイント
施工管理技士試験では、せん断力に関して以下が頻出です。単純梁・片持ち梁の各点でのせん断力を求める計算問題、Q図の形状(集中荷重で階段状・等分布荷重で直線)の判断問題、「最大せん断力はどこに発生するか」という位置の問題、せん断力と曲げモーメントの関係(Qが0の点でMが最大)の正誤問題などです。
まとめ
せん断力とは断面をずらそうとする力で、単位はN・kNです。単純梁の中央集中荷重では最大せん断力=P/2(支点位置)、片持ち梁では全区間でQ=Pです。Q図の形状と「Mが最大の点でQはゼロ」という関係をセットで覚えておきましょう。


コメント