建物の基礎工事においてラス型枠(残存型枠)を使用するケースが増えています。基礎は地中に埋設されるため、型枠の解体が困難であり、ラス型枠の特性が最大限に活かせる部位の一つです。
基礎工事でラス型枠が使われる部位
基礎工事の中でラス型枠が主に使用される部位は以下のとおりです。
- 基礎梁(地中梁)の側面:最も一般的な使用箇所。解体不要で廃材が出ない
- 布基礎の立上り部(外側):外側に土が接する場合は解体できないためラス型枠が有効
- べた基礎の立上り部(外側):同様に外側土接触面への適用
- 杭頭処理部周辺:杭頭キャップ周辺など型枠解体が困難な箇所
基礎へのラス型枠施工の流れ
- 捨てコンクリート打設:基礎底部の捨てコンを打設し、墨出しを行います
- 鉄筋組立・配筋検査:基礎の鉄筋を組み、配筋検査を受けます
- ラス型枠の組立:特殊リブラスをフレームにセットし、縦端太・横端太で固定します。底部の根巻きを行い型枠の浮き上がりを防止します
- スペーサー設置:かぶり厚確保のためのスペーサーを所定の間隔で設置します
- コンクリート打設・養生:所定スランプのコンクリートを打設し、振動機(バイブレーター)で十分に締固めます
- 養生完了後、型枠撤去なしで次工程へ:ラス型枠はそのまま残置し、土工事(埋め戻し)へ進みます
基礎工事でのラス型枠使用時の留意点
- 側圧の計算:基礎の打設高さに応じたコンクリート側圧を計算し、型枠フレームの強度が十分であることを確認します
- 底部シーリング:ラス材の最下部から生コンが漏れないよう、捨てコン面との取り合い部をモルタルや専用テープでシーリングします
- 打設速度の制限:一度に高い位置まで打設すると側圧が高まり型枠が変形するリスクがあります。層状に打設し、各層が締固まってから次の層を打設します
- かぶり厚の確保:基礎のかぶり厚は建築基準法で60mm以上(土に接する部分)と定められています。ラス材の厚みを差し引いたかぶり厚を確保します
- 継目の処理:ラス型枠のパネル継目部からの漏れに注意し、継目をしっかりとテープ等で養生します
基礎工事でのラス型枠のメリット・デメリット
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 工期 | 解体工程不要で工期短縮 | — |
| コスト | 解体・廃材処理費ゼロ | 材料費が合板より高い |
| 品質 | 腐食・白蟻被害リスクなし | 打設後の内部確認不可 |
| 安全 | 解体作業員の危険がない | 施工管理技術が必要 |
| 環境 | 廃材が出ない | 金属の残置 |
施工管理技士試験でのポイント
施工管理技士の学科試験・実地試験では、ラス型枠(残存型枠)に関して以下の点が出題される傾向があります。
- ラス型枠の特徴(捨型枠工法、コンクリートに埋め殺し)
- 適用に適した部位(地中梁・基礎の土接触面など解体困難な箇所)
- 施工上の留意点(側圧管理・モルタル漏れ対策・かぶり厚確保)
まとめ
基礎工事へのラス型枠適用は、解体困難な地中埋設部位において工期短縮・廃材削減・安全性向上を同時に実現できる優れた工法です。施工時は側圧計算・底部シーリング・打設速度管理を徹底することが品質確保のポイントです。
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・ラス型枠のメリット・デメリット・留意点
・ラス型枠の単価・費用
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