ケーソン基礎とは、箱状または筒状のコンクリート構造体(ケーソン)を地盤に沈設して基礎とする工法です。
深い支持層まで基礎を到達させる必要がある場合や、橋梁・港湾など大型構造物の基礎として採用される特殊基礎工法で、施工管理技士試験でも出題される重要テーマです。
ケーソン基礎とは
ケーソン(Caisson)はフランス語で「箱」を意味します。
ケーソン基礎は、あらかじめ製作した箱型・円筒型のコンクリート躯体を、内部の土砂を掘削しながら自重で沈下させて所定の支持地盤に到達させる基礎工法です。
ケーソン基礎が採用される主な状況は以下のとおりです。
- 支持層が深く、杭打ちが困難な場合
- 大きな水平力が作用する橋梁基礎
- 河川内・海中での基礎工事
- 大断面・大深度の基礎が必要な場合
ケーソン基礎の種類
ケーソン基礎は主に「オープンケーソン」と「ニューマチックケーソン」の2種類に分けられます。施工管理技士試験ではこの2種類の違いが頻出です。
①オープンケーソン工法
ケーソン内部を大気圧のままの状態で掘削する工法です。上部が開放されており、クラムシェルバケットなどの機械でケーソン内部の土砂を掘削・排土しながら沈設します。
- 特徴:設備がシンプルで比較的安価、施工者への作業環境の制約が少ない
- 適用条件:地下水位以上の地盤、または排水が容易な場合
- 注意点:地下水位以下では湧水が発生し、底面の安定が難しくなる場合がある
②ニューマチックケーソン工法(気圧ケーソン)
ケーソン底部の作業室に圧縮空気を送り込み、地下水の浸入を防ぎながら人力・機械で掘削する工法です。
- 特徴:地下水位以下の軟弱地盤でも施工可能、支持地盤の直接確認ができる
- 適用条件:地下水位が高く、湧水が多い場所
- 注意点:作業者が高気圧環境で作業するため、潜函病(減圧症)のリスクがある。作業時間・減圧手順の管理が必須
オープンケーソンとニューマチックケーソンの比較
| 比較項目 | オープンケーソン | ニューマチックケーソン |
|---|---|---|
| 作業室の気圧 | 大気圧(常圧) | 加圧(圧縮空気) |
| 地下水への対応 | 排水が必要 | 空気圧で地下水を排除 |
| 支持地盤の確認 | 困難 | 直接目視確認可能 |
| コスト | 比較的安価 | 高価(設備・管理が複雑) |
| 作業者リスク | 低い | 潜函病のリスクあり |
| 適用地盤 | 比較的良好な地盤 | 軟弱地盤・高地下水位 |
ケーソン基礎の施工手順(オープンケーソンの場合)
- ケーソン製作:地上または仮設ヤードでコンクリート製のケーソン躯体を製作する
- 据え付け:所定の位置にケーソンを建て込む
- 掘削・沈設:内部の土砂をバケットで掘削しながら自重で沈下させる
- 継ぎ足し:ケーソンが沈下するたびに上部に躯体を継ぎ足す
- 支持層への到達確認:設計で定めた支持地盤に達したことを確認する
- 底部コンクリート打設:水中コンクリートや水抜き後の普通コンクリートで底部を閉塞する
- 内部充填:必要に応じて内部をコンクリートや砂で充填する
施工管理上の留意点
- 傾斜・偏心の防止:沈設中にケーソンが傾かないよう、均等に掘削することが重要
- 急沈の防止:急激な沈下(急沈)が起きると位置・傾きの制御が難しくなる
- 刃口(はぐち)の管理:ケーソン底部の刃口が損傷すると沈設精度に影響する
- ニューマチックの場合の健康管理:作業気圧・作業時間・減圧手順を厳守し、潜函病を予防する
施工管理技士試験のポイント
- オープンケーソンとニューマチックケーソンの違い(気圧・適用条件)
- ニューマチックケーソンにおける潜函病のリスクと管理
- ケーソン基礎と杭基礎・直接基礎の使い分け
- 沈設時の傾斜・急沈の防止
- 支持地盤の確認方法
まとめ
ケーソン基礎とは、箱状の構造体を自重で沈設する基礎工法で、オープンケーソンとニューマチックケーソンの2種類があります。
大型構造物や深い支持層が必要な場合に採用され、施工管理上は傾斜・急沈の防止と、ニューマチック工法では作業者の健康管理が特に重要です。
試験では2工法の違いと適用条件をしっかり押さえておきましょう。


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