1級建築施工管理技士試験で出題された過去問から、仮設計画・安全管理の留意点を一覧にしました。
1級建築施工管理技士試験の問題2にあたる仮設計画・安全管理での解答は、検討すべき事項の留意点を具体的に記述させられるパターンが多いです。
この内容を見ると試験対策だけでなく、実際の工事の施工時の留意点の確認になると思います。
外部枠組足場
設備又は機械を安全に使用するための留意点
- 作業開始前点検として、手すり、布板等の取り外しの有無を点検する。
- ジャッキベース及び敷板の移動、沈下、緩みの有無を点検する。
- 許容積載量の超過をしないように最大積載荷重の明示及び啓蒙
仮設物の設置の計画の留意点
- 交さ筋かい及び高さ15cm以上40cm以下の「さん」若しくは高さ15cm以上の幅木またはこれらと同等以上の機能を有する設備を講じる事。
- 手すりは、繊維ロープ等可撓性の材料でなく、丈夫な構造の設備であって、たわみが生ずるおそれがなく、かつ、著しい損傷、変形又は腐食が無い物とする。
- 足場つなぎは、垂直方向=9m以下、水平方向=8m以下とする。
- 足場と建物の間隔を30cm以下とする。
- 踏板同士の隙間は3cm以下とする。
コンクリートポンプ車
設備又は機械を安全に使用するための留意点
- アウトリガを最大に張り出し、沈下しないように敷板を設ける
- ホース及び輸送管は脱落しないようにナットで固定する。
- 輸送管の振れ、脱落、破壊の恐れを考慮し、危険箇所に作業員を立ち入らせない。
- 操作員はブーム旋回範囲に作業員、建物、送電線等が無いことを確認し操作する。
建設用リフト
設備又は機械を安全に使用するための留意点
- リフト昇降時に直下及び危険箇所に立ち入らせない。
- 作業開始前に安全装置、固定状況等の点検を行う。
- 巻上げ装置の過巻防止、安全装置、ワイヤーの摩耗、キンク等異常がないことを点検する。
荷受け構台
仮設物の設置の計画の留意点
- 積載荷重に偏りすることを考慮して部材、支持材を検討する。
- 作業荷重として、積載荷重+自重の10%以上を採用する。
- 荷揚材料の大きさ、荷重を調査し、適当な規模を計画する。
鋼板製仮囲い(ゲート及び通用口を除く)
仮設物の設置の計画の留意点
- 風圧に耐えられるように建地や控え等の根入れ深さに留意する。
- 安全に固定金物の緊結状況を確認する。
- 地盤沈下を起こす可能性のある場所はコンクリート基礎等を検討する。
工事用エレベーター
設備又は機械を安全に使用するための留意点
- 積載可能荷重を超えないように注意喚起看板等を設置する。
- 運転時の接触事故防止、挟まれ事故防止対策として周辺の障害物除去、囲いを設ける。
- 設置場所の選定は荷揚のしやすさ以上に作業員等の安全確保を優先する。
つり足場
仮設物の設置の計画の留意点
- 作業床は40cm以上とし、かつ、隙間のないこと。
- 床材は転位、脱落ないように足場桁等に取り付けること。
- 墜落や物体の落下を防止するため、足場板の下部全面に水平養生網を取りつける。
起伏式(ジブ)タワークレーン
設備又は機械を安全に使用するための留意点
- 過負荷防止や制動に関する安全装置の正常作動を示す自主検査記録があること。
- 設置する基礎天端が水平であることを確認する。
仮設ゴンドラ
設備又は機械を安全に使用するための留意点
- 作業範囲内に関係者以外が立ち入らないよう、柵を設ける等立入禁止措置を行う。
- ゴンドラ検査証、自主検査記録、制動装置の作動状態などを確認する。
ロングスパンエレベーター
設備又は機械を安全に使用するための留意点
- 駆動部分の点検時、手足および被服の挟まれに注意する。
- 電気装置の動作点検時以外の検査時には電源ブレーカーを遮断する。
- ピット内検査時、エレベータが作動しないような安全措置を施する。
高所作業車(クローラ式の垂直昇降型)
設備又は機械を安全に使用するための留意点
- 作動床を上げた状態で走行しない。
- 傾斜地では使用しない。
- バケットにフック等を付けて荷物を上げない。
バックホウ(バケット容量0.5m3程度)
設備又は機械を安全に使用するための留意点
- 作業半径の確認をする。
- 鉄板等の荷降ろし作業時に旋回しない。
- 掘削路肩の崩落による転落に注意した作業位置とする。
場内仮設事務所
仮設物の設置の計画の留意点
- 総合仮設計画時、本工事、付帯工事、埋設設備等、工事へ支障を出来るだけ発生しない場所に設置し、工期内の無駄な移動をしないような位置に検討する。
- 仮設事務所は工事現場に出来るだけ近い位置へ設置計画するように留意する。
- 現場内への出入りが確認できやすい位置に計画する。
場内仮設道路
仮設物の設置の計画の留意点
- 仮設道路へ敷物を設ける際には段差、勾配などを検討する。
- 利用する重量機器の重さ、車幅等を調べ、必要に応じて補強する計画とする。
- 仮設道路を一時的でも荷揚げ等に利用することがあるか計画検討をする。
鋼板製仮囲い(ゲート及び通用口を除く。)
仮設物の設置の計画の留意点
- 打込みパイプが風圧に対して十分な根入れ長さになっているか確認する。
- 控えと打込みパイプを緊結する自在クランプが所定トルクで締め付けられているか確認する。
- 建地間隔が広くなり過ぎないように配置し、横地管にボルト等の締具で緊結する。
ゲート(車両出入口)
仮設物の設置の計画の留意点
- 交差点の近くは避けるように計画する。通行量が多い道路は可能であれば避けるほうが良い。
- 扉は引き戸方式のように外部へ突出しない構造のものとする。
- 交通誘導員が設置できない場合は出入り口部分又は出入り口の反対側の道路へミラー等を設置する。
- 出入り口部分に「車両出入口」など外部の通行者へわかるように掲示する。
外部足場
仮設物の設置の計画の留意点
- 足場の足元は敷板を用い、不同沈下を防ぐ 壁つなぎは規定間隔以内に建物より取る。
- 脚部は単管などをクランプ等の締具を用いて根がらみとする。
- 落下防止措置として適切な朝顔を設置する。
揚重機
仮設物の設置の計画の留意点
- 転倒防止としてアウトリガーを一杯に張り出し、支持部分に鉄板等を敷き不同沈下を予防する。
- 旋回範囲内に工事範囲と資材搬入範囲が不足なく入る計画とする。
- 移動設置する場合についても移動箇所の地盤地耐力をするか、鉄板等を敷き並べることとする。
- 工事範囲外を旋回範囲としないように危険防止看板等を設置する。
仮設電力設備
仮設物の設置の計画の留意点
- 工事を進める上で必要な動力、照明、通信等の電力を確実に供給できるように受電設備容量を算出する。
- 定期的に絶縁抵抗、接地抵抗を測定し、安全を確認する。
- 供給する仮設配電盤を施工範囲内にて使用できない部分がないように配置する。
- 原則通路面に使用しない。どうしても配置しなければならない場合は絶縁被覆の損傷のおそれのない措置をする。
- 架空電灯等には感電防止、損傷防止用のガードを取り付ける。
荷受け構台
仮設物の設置の計画の留意点
- 建物の規模や階高、揚重材料の形状、寸法、重量などを考慮して決定する。
- 作業荷重は、自重と積載荷重の合計10%とする。
- 平面配置は、揚重機の能力・配置などの計画との関連を考慮して決定する。
- 足場を利用する場合、同時に2~3の構台に積載される状態を想定する。
- 上階からワイヤロープでつる構造とした場合、ワイヤロープの安全係数を10以上で計画する。
親杭横矢板工法における、横矢板の設置
仮設物の設置の計画の留意点
- 横矢板は割れ等の発生のない、土圧に耐えうるものとする。
- 掘削底面と横矢板の間には隙間をつくらない。
- 横矢板の寸法は親杭へ十分に掛かるように留意する。
- 横矢板は隙間を設けないように嵌め込む。
鉄筋工事における、バーサポート又はスペーサーの設置
仮設物の設置の計画の留意点
- 定められたかぶり厚さを確保するように使用箇所を選択する。
- 鉄筋間のアキ寸法を確保できるように留意する。
- 断熱材の同時打ち込み部分にはめり込み防止用のものを採用する。
- 打ち放しなど化粧仕上げの場所へは防錆処理されたものを採用する。
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