1級建築施工管理技士試験で出題された過去問から、躯体工事の留意点を一覧にしました。
1級建築施工管理技士試験の問題4にあたる躯体工事での回答は、検討すべき事項の留意点をそれぞれ2つ具体的に記述させられるパターンが多いです。
また、但し書きとして「それぞれ異なる内容の記述とすること」と「除くもの」が設定されています。
要するに同じものを違う言い方で2つ書いてもダメですし、条件として除かれているものを書いてもダメということです。
この内容を見ると試験対策だけでなく、実際の工事の施工時の留意点の確認になると思います。
- 場所打ちコンクリート杭地業(アースドリル工法)のコンクリートの打設における施工上の留意
- 鉄筋工事の鉄筋の組立てにおける施工上の留意事項
- 型枠工事において、支保工にパイプサポートを使用する場合の施工上の留意事項
- 鉄骨工事の建方時における仮ボルトの施工上の留意事項
- 鉄骨屋根下地に金属製重ね形折板葺きとするときの施工上の留意事項
- 外壁コンクリート面に防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)を用いて外装仕上げとするときの施工上の留意事項
- 山留め支保工において、地盤アンカーを用いる場合の施工上の留意事項
- 鉄筋工事において、鉄筋の組立てを行う場合の施工上の留意事項
- 普通コンクリートを用いる工事において、コンクリートを密実に打ち込むための施工上の留意事項
- 鉄骨工事において、建入れ直しを行う場合の施工上の留意事項
場所打ちコンクリート杭地業(アースドリル工法)のコンクリートの打設における施工上の留意
問題文
場所打ちコンクリート杭地業(アースドリル工法)のコンクリートの打設における施工上の留意事項を、2つ具体的に記述しなさい。
ただし、コンクリートの調合に関する記述は除くものとする。
解答例
- コンクリート打込み前のプランジャのセットの確認。
- コンクリート打込み前のトレミー先端と孔底との位置関係の確保
- コンクリート打込み中のトレミーとコンクリートとの位置関係の確保
- コンクリートの余盛りは規定通りか確認
鉄筋工事の鉄筋の組立てにおける施工上の留意事項
問題文
鉄筋工事の鉄筋の組立てにおける施工上の留意事項を、2つ具体的に記述しなさい。
ただし、鉄筋材料、加工及びガス圧接に関する記述は除くものとする。
解答例
- コンクリート打ち完了移動しないよう十分堅固に組立てる。
- 鉄筋相互のあきは、粗骨材の最大寸法の1.25倍以上かつ25mm以上とする。
- コンクリートとの付着を妨げるおそれのある浮き錆、油類、ごみ、土などを除去する。
- 組立てからコンクリート打設まで長期間経過した場合、再検査、清掃をしてからコンクリートを打設する。
- ガス圧接位置は隣接する位置は400mm以上離す。
型枠工事において、支保工にパイプサポートを使用する場合の施工上の留意事項
問題文
型枠工事において、支保工にパイプサポートを使用する場合の施工上の留意事項を、2つ具体的に記述しなさい。
ただし、パイプサポートに不良品はないものとする。
解答例
- 支柱の継手は突合せ又は差込みとし、鋼材はボルト、クランプ等を用いて緊結する。
- 支柱は大引の中央に取り付け、偏心荷重がかからないようにする。
- パイプサポートは3本以上継いで用いない。継いで用いる場合、4個以上のボルト又は専用の金具を用いること。
- 控えの取り付け等、型枠の浮上りを防止するための措置を講ずる。
- 柱脚部の沈下を防ぐため敷板等を用い、根がらみで固定する。
- 高さ2m以内ごとに水平つなぎを設ける。
鉄骨工事の建方時における仮ボルトの施工上の留意事項
問題文
鉄骨工事の建方時における仮ボルトの施工上の留意事項を、2つ具体的に記述しなさい。
ただし、材料に不良品はないものとする。
解答例
- 中ボルトを用いること
- ボルト一群に対して1/3程度かつ2本以上をバランスよく締め付ける。
- エレクションピースを用いる場合は高力ボルトを使用する。
鉄骨屋根下地に金属製重ね形折板葺きとするときの施工上の留意事項
問題文
鉄骨屋根下地に金属製重ね形折板葺きとするときの施工上の留意事項を2 つ、具体的に記述しなさい。
解答例
- 梁とタイトフレームの溶接は、表面の防錆処理が施されたままで行う。
- タイトフレームの下地への溶接は、タイトフレームの立上がり部分の縁から10mm残し、底部両側を隅肉溶接とする。
- けらば先端には、折板の山間隔の3倍の長さの変形防止材を1.2m間隔で取り付ける。
- 流れ方向のボルト間隔は600mm以下とし、山ごとにタイトフレームに固定する。
外壁コンクリート面に防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)を用いて外装仕上げとするときの施工上の留意事項
問題文
外壁コンクリート面に防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)を用いて外装仕上げとするときの施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
解答例
- 下地のごみ、油、さび、レイタンス、コンクリートのこぼれなどを除去する。
- 下地が仕上塗材に適した乾燥状態になっていることを確認する。
- 仕上塗料は現場にて顔料等を混ぜない
- スプレーガンの種類、口径、吹付け距離など吹付け条件は、製造業者の指定に従う。
山留め支保工において、地盤アンカーを用いる場合の施工上の留意事項
問題文
山留め支保工において、地盤アンカーを用いる場合の施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
ただし、山留め壁に関する記述は除くものとする。
解答例
- アンカーの引き抜き応力は設計耐力の1.1倍以上であることを全数確認する。
- 背面地盤の土質により定着長さを増やす。
- 地中埋設物について十分注意する。
鉄筋工事において、鉄筋の組立てを行う場合の施工上の留意事項
問題文
鉄筋工事において、鉄筋の組立てを行う場合の施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
ただし、鉄筋材料、加工及びガス圧接に関する記述は除くものとする。
解答例
- 鉄筋のアキは呼び径の1.5倍、粗骨材最大径の1.25倍、25mmのうち、最大なものとする。
- 鉄筋の結束線は0.8mm以上の径のものを使用する。
- 適切なかぶり代を確保するためにスペーサーを用いる。
普通コンクリートを用いる工事において、コンクリートを密実に打ち込むための施工上の留意事項
問題文
普通コンクリートを用いる工事において、コンクリートを密実に打ち込むための施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
ただし、コンクリートの調合及び養生に関する記述は除くものとする。
解答例
- 締固め時バイブレーターを均等に挿入し、横流しに利用しない
- 打設完了までの時間を120分以内、暑中は90分以内とする
- 材料分離を防止するため縦シュートを使用し、自由落下の場合は1.5m以下とする。
鉄骨工事において、建入れ直しを行う場合の施工上の留意事項
問題文
鉄骨工事において、建入れ直しを行う場合の施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
ただし、アンカーボルト及び仮ボルトに関する記述は除くものとする。
解答例
- 建入れ直し前にひずみの修正をする。
- 小ブロックごとに建入れ直しを行う。
- 建入れ直しに使用したワイヤーは本締めまで緊張させておく。
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