コンクリート打設後の壁面に残る丸い穴を「ピーコン穴」と言います。
建築・土木の現場や完成した建物の壁面でよく目にするこの穴ですが、なぜできるのか・何のためにあるのかをきちんと説明できる方は意外と少ないものです。
本記事では、ピーコン穴の意味・役割・形成の仕組み・Pコン穴の処理方法・よくある疑問まで、現場経験をもとにわかりやすく解説します。
ピーコン穴(Pコン穴)とは?
ピーコン穴とは、コンクリート型枠工事において使用する「Pコン(ピーコン)」と呼ばれる部品を型枠解体後に取り外した際に残る円形の穴のことです。
「Pコン穴」「セパ穴」「セパレーター穴」とも呼ばれます。
直径は一般的に18〜30mm程度で、コンクリート壁の両面に規則的に並んで現れます。
Pコン(ピーコン)とは何か
ピーコン穴の正体を理解するには、まず「Pコン」という部品を知る必要があります。
Pコン(Pコーン)とは、コンクリート型枠工事で使用する「セパレーター(丸セパ)」の端部に取り付けるプラスチック製の円錐形キャップのことです。
セパレーターとは、向かい合う2枚の型枠の間隔(壁厚)を一定に保つための鉄製の棒(ボルト)です。
このセパレーターの両端にPコンを取り付け、型枠に固定します。
コンクリートを打設すると、Pコンの周囲にコンクリートが充填されます。
型枠解体後にPコンをドライバー等で取り外すと、円錐形の穴(=ピーコン穴)がコンクリート壁の両面に残ります。
ピーコン穴ができる仕組み(型枠工事の流れ)
ピーコン穴が形成されるまでの工程を順番に説明します。
- 型枠の設置:壁の両側に型枠(合板など)を設置します。
- セパレーターとPコンの取り付け:型枠の穴にセパレーターを通し、両端にPコンを取り付けて型枠を固定します。セパレーターが型枠間の距離(壁厚)を一定に保ちます。
- フォームタイで締め付け:Pコンの外側からフォームタイ(締付け金物)で型枠を固定し、コンクリート打設時の側圧に耐えられるようにします。
- コンクリートの打設:型枠内にコンクリートを流し込みます。Pコン周囲にもコンクリートが充填されます。
- 型枠解体・Pコン取り外し:コンクリート硬化後に型枠を解体し、Pコンを取り外します。この時、Pコンの形状(円錐形)に沿った穴がコンクリート壁の両面に残ります。
ピーコン穴の役割・なぜ必要なのか
ピーコン穴は単なる副産物ではなく、Pコンという部品が担う重要な役割の結果として生じます。
① 型枠の間隔(壁厚)を正確に保つ
コンクリート打設時には大きな側圧が型枠にかかります。
セパレーターとPコンで型枠を固定することで、壁厚を設計通りに保ち、型枠が開いたり変形したりするのを防ぎます。
② セパレーターの端部を保護する
セパレーター(鉄製)はコンクリート内部に残りますが、端部がコンクリート表面に露出すると錆が発生し、コンクリートを劣化させます。
Pコンがセパレーター端部を壁面から引っ込めた位置でカバーし、後から穴にモルタルを充填することで錆の進行を防ぎます。
③ 型枠の脱型(取り外し)を容易にする
Pコンを取り外すことで型枠をスムーズに外せるよう、型枠固定の支点として機能します。
ピーコン穴の処理方法
ピーコン穴はそのまま放置すると、雨水の侵入・錆の発生・外観の悪化を引き起こすため、適切な処理が必要です。
標準的な処理手順
- 穴の清掃:穴の内部のゴミ・レイタンス・油分を除去します。
- 防錆処理:セパレーター端部に防錆材を塗布します(錆止め塗料など)。
- モルタル充填:無収縮モルタルまたはポリマーセメントモルタルで穴を充填します。周囲のコンクリートと面一になるよう仕上げます。
- 養生:充填後、乾燥・直射日光を避けて養生します。
仕上げの種類
| 用途・仕上げ | 処理方法 |
|---|---|
| 打放しコンクリート(美観重視) | 色合わせモルタル・エポキシ樹脂で充填、周囲と色調を合わせる |
| 塗装仕上げ | モルタル充填後、塗装で仕上げ |
| タイル・石張り仕上げ | モルタル充填後、仕上げ材で覆う |
| 屋外・防水重視 | 防水性の高いエポキシ系材料で充填 |
打放しコンクリートとピーコン穴
近年、打放しコンクリートを内装・外装デザインとして活かす建築が増えています。
この場合、ピーコン穴はあえてデザイン要素として残したり、規則的な穴の並びを意匠として見せる場合もあります。
一方、美観を損なわないよう色合わせモルタルやエポキシ樹脂で丁寧に補修し、穴の存在感を消す仕上げも一般的です。
インテリア用途では、Pコン穴をフックやボルトの取り付け穴として再利用する方法もSNSなどで人気を集めています。
ピーコン穴に関するよくある質問
ピーコン穴とセパ穴は同じですか?
はい、同じ穴を指します。
「ピーコン穴」「Pコン穴」「セパ穴」「セパレーター穴」はすべてコンクリート壁に残る同じ円形の穴の呼び方です。
ピーコン穴はなぜ規則的に並んでいるのですか?
型枠設計時にセパレーターとPコンの配置間隔を一定ピッチ(水平・垂直方向)で計画するため、型枠解体後の穴も規則的なグリッド状に並びます。
ピッチは壁厚・コンクリートの側圧・使用するセパレーターの強度によって決まります。
ピーコン穴を放置するとどうなりますか?
未処理のままにすると、雨水が穴に侵入し内部のセパレーター(鉄製)が錆びます。
錆が膨張するとコンクリートにひび割れが生じ、耐久性が低下します。
屋外面・湿潤環境では特に早期の補修処理が必要です。
施工管理技士試験でのポイントは?
試験では「Pコン(ピーコン)は型枠の間隔を保つセパレーターの端部に取り付けるもの」「型枠解体後に残る穴をピーコン穴(セパ穴)という」「穴はモルタルで充填処理する」の3点が重要です。
また、「ピーコン穴をそのまま放置するとセパレーターが錆びてコンクリートの耐久性が低下する」点も押さえておきましょう。
まとめ
ピーコン穴とは、型枠工事で使用するPコン(ピーコン)を型枠解体後に取り外した際にできる円形の穴です。
Pコンはセパレーターの端部に取り付けて型枠の間隔を固定し、壁厚を正確に保つ重要な役割を果たしています。
穴の処理はセパレーターの錆・耐久性低下・外観悪化を防ぐために不可欠で、用途に応じてモルタル・エポキシ樹脂などで適切に充填します。
施工管理技士試験でも頻出の用語なので、Pコン・セパレーター・ピーコン穴の関係と処理方法をしっかり理解しておきましょう。


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