ラス型枠のふかし(ふかし壁・ふかし施工)とは、既存の壁・柱などに密着させてコンクリートを増し打ちする「ふかし工事」において、ラス型枠(残存型枠)を使用する工法のことです。
既存の構造体との密着部は通常の型枠では解体が困難なため、ラス型枠が広く使われています。
ふかし工事とは
ふかし(浮かし・増し打ち)工事とは、既存のコンクリート躯体や壁の表面に新たにコンクリートを打ち増しして寸法を大きくする工事です。主な目的は以下のとおりです。
- 設計寸法の調整(壁厚の調整など)
- 設備配管のための空間確保
- 断熱材・仕上げ材の下地作り
- 既存躯体の補修・補強
ふかし工事にラス型枠を使う理由
ふかし工事では、既存の壁・柱に密着してコンクリートを打設するため、型枠の片面(既存躯体側)は解体できません。ラス型枠を使用することで以下のメリットがあります。
- 既存躯体に密着した面の型枠解体が不要
- 狭い空間でも施工しやすい
- 解体による既存躯体への損傷リスクがない
- 工期短縮・廃材削減
ラス型枠ふかし工事の施工手順
- 既存面の下地処理:既存コンクリート面をケレン・清掃し、密着性を高めます。界面処理剤(プライマー)を塗布する場合もあります
- アンカー・差し筋の設置:既存躯体にケミカルアンカーや差し筋を設置し、新設コンクリートとの一体化を図ります
- 鉄筋組立:ふかし厚に応じた鉄筋を配筋します
- ラス型枠の取付け:外側(見え掛かりでない面)にラス型枠を組み立て、縦端太・横端太で固定します
- コンクリート打設:ふかし部分のコンクリートを打設します。打設高さが低いためバイブレーターの締固めに注意が必要です
- 養生・型枠存置:ラス型枠はそのまま存置し、次の仕上げ工事に進みます
施工上の留意点
- 既存躯体との付着確保:既存面の油脂・レイタンスを除去し、付着力を確保します
- かぶり厚の確認:新設鉄筋のかぶり厚を設計値通りに確保します
- モルタル漏れ対策:ラス型枠下部と床面との取り合いをシーリングします
- ふかし厚の管理:施工中に型枠が内側に倒れないよう、セパレーターや支保工でしっかり固定します
まとめ
ラス型枠のふかし施工は、既存躯体に密着する面の解体が不要なため、ふかし工事に非常に適した工法です。
既存面の下地処理・アンカー設置・かぶり厚管理が品質確保のポイントです。
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