堰(せき)は河川・水路に設置して水位・流量を制御する構造物です。
施工管理技士試験でも「堰の種類と特徴」は頻出テーマです。
この記事では固定堰・可動堰・仮設堰の3種類を中心に、それぞれの構造・メリット・デメリット・使用場面をわかりやすくまとめました。
堰(せき)とは?ダムとの違い
堰とは、河川や水路の流れを横断するように設置し、水位の調整・取水・洪水防止を目的とした構造物です。
| 項目 | 堰(せき) | ダム |
|---|---|---|
| 規模 | 比較的小規模 | 大規模 |
| 主な目的 | 水位調整・取水・農業用水 | 貯水・発電・洪水調節 |
| 設置場所 | 河川・水路 | 渓谷・山間部 |
| 高さ | 低い(数m程度) | 高い(15m以上が多い) |
| 水の貯留 | 限定的 | 大量に貯留可能 |
シンプルに言うと、堰は「水をせき止めて水位を調整する」、ダムは「水を大量に貯める」ことが主目的です。
堰の種類一覧【3種類を比較】
堰は大きく3種類に分類されます。試験では「それぞれの特徴・使用場面・長所と短所」が問われます。
| 種類 | 特徴 | 主な使用場面 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| 固定堰 | コンクリート・石積みで固定。水位は変わらない | 農業用水取水・安定した水位管理 | 構造シンプル・維持費低い・耐久性高い | 洪水時に水位調整できない・魚の遡上を妨げやすい |
| 可動堰 | ゲートで水位を調整できる | 洪水調節・発電用水路・都市河川 | 水位を柔軟に制御できる・洪水対応可能 | 設備費・維持管理費が高い・機械故障リスクあり |
| 仮設堰 | 工事中など一時的に設置する仮の堰 | 河川工事・橋梁工事・水中工事 | 撤去・移設が容易・工期に合わせて使用 | 耐久性が低い・恒久使用は不可 |
固定堰の特徴と構造
固定堰はコンクリートや石積みで作られた、位置が変わらない堰です。
一度設置すると水位は常に一定に保たれます。
固定堰の主な種類
- 重力式固定堰:自重でコンクリートを安定させる最も一般的な形式
- 石積み堰:河床の石を積み上げた昔ながらの農業用堰
- ゴム引き布製起伏堰:ゴム製のバッグに空気・水を注入して堰上げ高を変える固定堰の一種(現在は可動堰との中間的存在)
試験ポイント:固定堰は「構造がシンプルで維持費が低い」「洪水時の水位調整ができない」という特徴を覚えておきましょう。
可動堰の特徴とゲートの種類
可動堰はゲート(門扉)を操作して水位を調整できる堰です。
洪水時にはゲートを開いて水を流し、渇水時には閉じて水位を上げます。
可動堰のゲートの種類
| ゲートの種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ローラーゲート | 円筒形のゲートが上下に動く。大流量に対応 | 大規模河川・発電所 |
| フラップゲート | ヒンジで固定された板が傾く。水圧で自動開閉 | 排水路・中小河川 |
| スライドゲート | 板状のゲートをスライドして開閉。シンプルな構造 | 農業用水路・水門 |
| テンターゲート(ラジアルゲート) | 扇型ゲート。水圧を支点に分散できる | ダム・大型水門 |
試験ポイント:可動堰は「水位を柔軟に制御できる」「維持管理費が高い」「機械設備が必要」という特徴を押さえましょう。ゲートの種類(ローラー・フラップ・スライド)もよく出題されます。
仮設堰の特徴と施工での使われ方
仮設堰は工事期間中など一時的な目的のために設置する堰です。
工事が完了したら撤去します。
- 土のう積み堰:土のうを積み上げた最もシンプルな仮設堰。小規模工事に使用
- 鋼矢板堰:鋼矢板を打設して仮締切りを作る。水中での基礎工事・橋梁工事で多用
- ゴム製仮設堰:水を充填したゴム製チューブ。設置・撤去が容易
試験ポイント:仮設堰は「一時的に設置→工事完了後に撤去」という点が特徴。鋼矢板による仮締切りは土木施工管理技士試験の頻出テーマです。なお、仮設堰工事では型枠の根巻きや捨て型枠が使われるケースもあります(根巻きコンクリートの解説・捨て型枠(残存型枠)の解説)。
堰と魚道の関係
堰は魚類の遡上(川を上ること)を妨げる場合があります。
そのため近年は魚道(魚が遡上できる水路)を設けることが義務付けられるケースが増えています。
- 河川法・水産資源保護法により、魚道設置が求められる場合がある
- 魚道の種類:プール型・バイパス型・アイスハーバー型など
- 固定堰は魚道を設けにくいため、環境配慮の観点から可動堰や魚道付き堰への改築が進んでいる
まとめ【施工管理技士試験対策】
堰の種類と特徴を以下の表で最終確認しましょう。
| 種類 | 最大の特徴 | 試験で覚えるポイント |
|---|---|---|
| 固定堰 | 水位が固定・動かない | 維持費低い・洪水時調整不可 |
| 可動堰 | ゲートで水位を調整 | 柔軟な水管理・維持費高い |
| 仮設堰 | 一時的・工事後撤去 | 鋼矢板仮締切りが頻出 |
土木施工管理技士試験では「堰の種類とその特徴」「可動堰のゲートの種類」「魚道の目的」が出題されます。
上の表を繰り返し確認して確実に得点できるようにしましょう。
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