曲げモーメントとは、部材を曲げようとする力の働きのことです。
梁や柱の設計において最も基本的な内力であり、構造力学の核心ともいえる概念です。
施工管理技士試験でも断面力の計算やBMD(曲げモーメント図)の描き方が頻出です。
本記事でわかりやすく解説します。
曲げモーメントとは
曲げモーメント(Bending Moment、M)とは、部材断面を境にして一方の部分が他方を曲げようとする力のモーメント(偶力)のことです。
単位は「力×距離(N・m、kN・m)」で表されます。
具体的には、ある断面における曲げモーメントは、その断面の片側に作用するすべての外力(荷重・反力)のモーメントの代数和として求められます。
曲げモーメントの符号の決め方
曲げモーメントの符号は、部材の変形方向によって定義されます。
- 正(+)の曲げモーメント:梁の下側が引張になる方向に曲がる(下に凸、笑顔の形)
- 負(-)の曲げモーメント:梁の上側が引張になる方向に曲がる(上に凸、逆笑顔の形)
単純梁に鉛直荷重が作用する場合、一般的に正の曲げモーメントが生じます。片持ち梁では固定端付近で負の曲げモーメントが生じます。
曲げモーメントの求め方
曲げモーメントを求める基本手順は以下のとおりです。
- 支点反力を求める(ΣH=0、ΣV=0、ΣM=0 の釣り合い式を解く)
- 求めたい断面を仮想的に切断する
- 切断した片側の外力のモーメントを合計する
計算例:単純梁の中央集中荷重
スパンL=6m、中央にP=10kNの集中荷重が作用する単純梁の最大曲げモーメントを求めます。
①支点反力:対称なのでRA = RB = P/2 = 5kN
②中央断面(x=3m)での曲げモーメント:
M = RA × 3 = 5 × 3 = 15 kN・m
代表的な荷重ケースの最大曲げモーメント公式
| 構造・荷重 | 最大曲げモーメント | 発生位置 |
|---|---|---|
| 単純梁+中央集中荷重P | M = PL/4 | 中央 |
| 単純梁+等分布荷重w | M = wL²/8 | 中央 |
| 片持ち梁+先端集中荷重P | M = PL | 固定端 |
| 片持ち梁+等分布荷重w | M = wL²/2 | 固定端 |
BMD(曲げモーメント図)の描き方
BMD(Bending Moment Diagram)とは、梁の各断面における曲げモーメントの値を図示したものです。
BMDを描く基本ルール
- 正のモーメントは梁の下側(引張側)に描く
- 支点・自由端では曲げモーメントは0(ピン・ローラー・自由端)
- 集中荷重が作用する点でBMDに折れ点が生じる
- 等分布荷重が作用する区間ではBMDが放物線になる
- 集中モーメントが作用する点でBMDに段差が生じる
曲げモーメントとせん断力の関係
曲げモーメントMとせん断力Qには以下の関係があります。
dM/dx = Q(曲げモーメントの微分がせん断力)
この関係から、せん断力がゼロになる断面で曲げモーメントが最大(または極値)になることがわかります。これは試験でも頻出の重要な性質です。
曲げ応力度との関係
曲げモーメントMが作用する断面に生じる曲げ応力度σは次の式で求められます。
σ = M / Z = M × y / I
※Z:断面係数(= I/y)、I:断面二次モーメント、y:図心からの距離
施工管理技士試験のポイント
- 曲げモーメントの定義と単位(kN・m)
- 符号の決め方(下側引張=正)
- 代表的な公式(PL/4、wL²/8、PL、wL²/2)
- BMDの特徴(支点でゼロ・集中荷重で折れ・分布荷重で放物線)
- せん断力ゼロ→曲げモーメント最大の関係
まとめ
曲げモーメントとは、部材断面を曲げようとする力のモーメントで、単位はkN・mです。
支点反力を求めてから断面を切断し、片側の外力のモーメントを合計して求めます。
BMDは正を引張側(下側)に描き、支点でゼロ・集中荷重で折れ・等分布荷重で放物線になります。
公式と図の描き方を繰り返し練習して確実に身につけておきましょう。


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