躯体は、建築非構造部材や建築設備の機能に支障をきたさないように設計しなくてはなりません。
そのために、建物の重心や形状など、さまざまなことを考慮した構造計画を立てることが必要となります。
ここでは構造計画時のポイントを説明します。
構造計画のポイントとは?
構造計画のポイントして以下のようなものがあります。
- 建物の上下階においては、剛性、耐力、重量が急変しないようにし、局部的な応力集中を避ける。
- 平面的に長いもの、L字形など複雑な平面のもの、断面形状のものなどは、エキスパンションジョイントを設けるようにする。
- 建築物の重心と剛心の距離は、できるだけ小さくなるようにする。
- 建物の平面形状が複雑な場合は、地震が起きた際に複雑な揺れが生じ、局部的な応力集中が起きることがある。
- 柱は一般に、平面的には規則的に配置し、立体的には上下階で通るように配置する。
- エキスパンションジョイント部のあき寸法は、高いほど大きくする。
上記のような注意点があるので押さえておきましょう。
荷重について
構造計画では、「荷重」も重要な要素です。
荷重には
- 固定荷重:建築物自体の重量のこと。仕上材や建築設備の重量を含みます。
重量の計算は、固定されている物体の質量に重力加速度を乗算して算出します。 - 積載荷重:人や移動可能な家具や物品等の建築物に固定されないものの重量のこと。
があります。
一般に、積載荷重の大きさは、
- 床の構造計算用>大梁、柱、または基礎の構造計算用>地震力の構造計算用
となっています。
また積雪荷重は
- 積雪荷重=積雪単位荷重x屋根水平投影面積xその地域における垂直積雪量
として求められます。
そのほかの構造計画に関するもの
そのほか、構造計画に関するものとして、
- 風圧力
- 地震層せん断力
- 地震力
などがあります。
風圧力の求め方は
- 風圧力=速度圧X風力係数
となります。
なお、風力係数は建物の形状や風向きによる係数で、外圧係数と内圧係数の差として算出します。
地震層せん断力の求め方は
- 地震層せん断力=ある層の地震層せん断力係数(下階ほど小さい)Xある層から上部の建物総重量(下階ほど大きい)
となります。
地震力の求め方は
- 建築物の地下部分に作用する地震力=地下部分の重量X水平震度
となります。
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