全国建設研修センターは3月5日、2024年度の1級・2級技術検定(管工事・電気通信工事・造園)の最終合格者を発表しました。
1級技術検定の結果
1級管工事
1級管工事は、受験者が8,736人(前年より21.4%増)で、合格者は6,661人(49.0%増)。合格率は76.2%。
1級電気通信工事
1級電気通信工事は、受験者が4,650人(19.6%減)、合格者が1,904人(10.9%減)。合格率は40.9%。
1級造園工事
1級造園は、受験者が1,696人(16.7%増)、合格者が678人(7.8%増)。合格率は40.0%。
1級管工事と1級造園は、1次検定の受験者が増えた影響で、2次検定の受験者・合格者も増加しました。
一方、1級電気通信工事は受験者・合格者ともに減少しました。
2級技術検定の結果
2級はすべての種目で受験者数が減少しました。
これは、2024年度から1級の1次検定が「19歳以上なら受験可能」になったことで、2級を経ずに1級を受ける人が増えたためです。
2級管工事
2級管工事は、受験者が7,550人(27.5%減)、合格者が4,708人(81.6%減)。合格率は62.4%
2級電気通信工事
2級電気通信工事は、受験者が2,843人(19.9%減)、合格者が1,512人(17.2%増)。合格率は53.2%。
2級造園
2級造園は、受験者が2,326人(13.1%減)、合格者が1,146人(18.2%減)。合格率は49.3%。
このように、1級の受験者が増えた一方で、2級の受験者は減少する結果となりました。
2級技術検定の受験者数が減少した理由
2級技術検定(管工事・電気通信工事・造園)の受験者数が減少した主な理由は、「1級の1次検定の受験資格要件が緩和されたこと」にあります。
具体的には、以下のような制度変更が影響しました。
1級1次検定の受験資格が19歳以上に拡大
これまで1級の1次検定を受験するには、「一定の実務経験年数」が必要でした。
しかし、2024年度から1級の1次検定は、19歳以上であれば受験可能になりました。
この変更により、従来であれば2級を受験していた若年層の受験者が、直接1級1次検定を受験するようになったのです。
1級の受験者増加による2級の受験者減少
1級の受験要件が緩和されたことで、多くの人が「2級を受験せずに、最初から1級を目指す」選択をしました。
特に、これまで実務経験の関係で2級を受けていた人たちが、直接1級を受験できるようになったため、2級の受験者数が減少しました。
資格取得ルートの変化
従来は、「2級を取得 → 実務経験を積む → 1級を受験」という流れが一般的でした。
しかし、1級1次検定の要件が緩和されたことで、このルートを省略することが可能になりました。
その結果、2級の受験を飛ばして、いきなり1級1次検定に挑戦する人が増えました。
まとめ
2024年度から1級1次検定の受験資格が「19歳以上」に緩和されたことが大きな要因となり、2級を経ずに1級を受験する人が増加しました。
そのため、2級の受験者数が全種目で減少する結果となったのです。
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