建築学の一般構造では、地盤と基礎についても学びます。
地盤の分類、種類
地盤は次のように分類することができます。
- 岩盤:岩
- 土丹:シルト・粘土が固結したもの
- 砂盤:砂が固結したもの
- 土
さらに土は
- 粘土:1から5um
- シルト:5から74um
- 砂:74umから2mm
- 礫(つぶて)・砂利:2mm以上
- 火山灰土:赤土、関東ローム
と分けられます。
地盤の問題点
地盤は
- 液状化:緩い砂質地盤が、強い振動等の作用により、かんげき飽和した砂質土が間隙水圧の急激な上昇を受け、せん断抵抗を失い液体状になる現象のこと
- 圧密沈下:年数の経過とともに水が絞り出され、地盤が沈下すること
など、さまざまな問題があります。
液状化の対策としては、
- 地盤を締め固めて間隙比を下げる
- 地盤改良を行う
- 地下水位を低下させる
- 透水性の向上を図り間隙水圧の上昇を抑える
などが一般的です。
液状化は砂質地盤に、圧密沈下は粘土質地盤に起こりやすい現象です。
基礎に関するポイント
基礎の機能としては、上部の構造物を安全に支持し、沈下等をさせないことにあります。
基礎には、
- 直接基礎:荷重を直接支持地盤に伝える
- 杭基礎:杭を介して支持地盤に伝える
に分類されます。
さらに直接基礎は
- フーチング基礎
- べた基礎
に大別されます。
直接基礎の底面は、凍上による被害を防ぐため、冬季の地下凍結深度より深くします。
複合フーチング基礎は、複数の柱を1つのフーチング基礎で支える基礎で、隣接する柱間隔が狭い場合などに用いられます。
また、独立フーチング基礎は、柱ごとにフーチング基礎が独立している基礎で、一般には基礎梁で相互に連結します。
杭に関するポイント
杭に関する注意点は以下のようなものです。
多くの注意点がありますが、杭の知識は重要なのでしっかりと覚えます。
- 支持杭は、杭の先端を地盤の抵抗で支えるもの。
- 摩擦杭は、杭周面と土の摩擦力で支えるもの。
- 杭基礎は、地盤が弱いなど、直接基礎では建築物の自重を支えられない場合に使う。
- 杭の支持力は、杭の材質、形状、寸法、施工方法などの条件、及び支持層の力学的性質によって決まる。
- 支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない。
- 支持杭では、負の摩擦力が生じると、杭の先端部における圧縮軸力が大きくなる。
- 杭径が同じ場合、埋込杭より打込杭の杭間隔を大きくする。
- 埋込杭は、打込杭よりも、極限支持力に達するまでの沈下量が大きくなる。
- 杭間隔は、埋込杭は杭径の2倍以上、打込杭は杭径の2.5倍以上かつ750mm以上とする。
- 地盤沈下により杭周辺に下向き(負)の摩擦力が生じることを、負の摩擦力(ネガティブフリクション)という。
- 地盤沈下による負の摩擦力は、一般には摩擦杭よりも支持杭のほうが大きくなる。
- 同一建築物の基礎に、直接基礎と杭基礎、もしくは支持杭と摩擦杭等を併用すると、不同沈下を起こす場合がある。
- 基礎梁の剛性を大きくすることにより、フーチング基礎の沈化し、有効な不同沈下対策となる。
- 単杭の引抜き抵抗力には、地盤から求める引抜き抵抗力(杭の周面摩擦抵抗力)に、杭の自重(地下水位以下の部分の浮力を減じた値)を加えることができる。
- 既製コンクリート杭のセメントミルクエ法は、掘削液等が流出することがあるため、伏流水がある地盤には用いない。
- 場所打ちコンクリート杭は、地盤を削孔し、掘削孔内に鉄筋かごを建て込み、コンクリートを打設して築造する。
- 外殻鋼管付コンクリート杭(SC杭)は、主に大きな水平力が作用する場合に用いる杭である。
- 鋼管杭は、既製コンクリート杭に比べて破損しにくなどの取扱いが容易という特徴をもつ。
以上が、地盤、基礎、杭についての説明です。
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